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Original Story and Character Concepts by Rei Hiroe Directed by Ei Aoki Animation Produced by Studio TROYCA Original TV Animation

Re:CREATORS(レクリエイターズ)

interview

2017.07.08

EDテーマアーティスト スペシャル対談 綾野ましろ × 三月のパンタシア(みあ)

“Re:CREATORS(レクリエイターズ)” 第2クールエンディングテーマを担当する「三月のパンタジア」みあさんと、第1クールEDを担当していただいた、綾野ましろさんによるインタビューを公開!アニメーション作品の主題歌を手がけることや、アーティストとしてのライブにかける思いなど、作品を音楽面から彩る “クリエイター” としてのさまざまなテーマでお話いただきました。


──お二人が出会ったのは5月に行われた「MUSIC THEATER 2017」の時が最初だったそうですね。

みあ:そうなんです。綾野さんの出番前に楽屋でご挨拶させていただきました。丁度楽屋でライブ前の声出しをされていたタイミングだったと思うんですけど、すごく遠くから綾野さんの歌声が聴こえてきて、そのパワフルさに、ご挨拶させていただく前から圧倒されてしまって。私はステージ経験がほとんどなかったので、「これがステージで歌うアーティストのパワーなんだ……」と思ったんです。あと、お会いする前から綾野さんのことはもちろん存じ上げていて、心の中で「とても可愛い方だなぁ……」と思っていて(笑)。実際にお会いしたら、すっごくお顔が小さいし、お写真で見ていたときよりも可愛くて、そこにも感動してしまいました。昨晩も、今日の対談のことを考えると緊張で眠れなかったんですよ……(苦笑)。

綾野:そんな風に言っていただけるなんて、ありがとうございます……面と向かって言われるとすごく照れます(笑)。みあさんはお顔出しをされていないので、私も「どんな方だろう?」とお会いするまでは思っていたのですが、背がすらっとされていて、“健康美” という言葉が相応しい方だなって思いました。女性らしくて、しっかりとされていて、素敵な女の子だなって。みあさんは「MUSIC THEATER 2017」のステージ、どうでした?

みあ:生まれて初めてあれだけの人が集まる場所に立って、そして歌わせていただいて、とても感動しました。やはりあれだけの大きいステージで歌うことを考えると、まだライブ経験が全然ないので、とても緊張していました。でも実際にステージに立ったら、向かい入れてくださった大勢のお客さんを前にすごく興奮していて。「こんなに楽しいものなんだ!」と気づかされました。しかも会場全体がペンライトの青色で染まっていて、とても感動的な光景を見せていただきました。これから活動させていただく上で、大きな財産になるような景色でしたね。

──綾野さんはいかがでしたか?

綾野:いつもはアニメ系のイベントになかなか出演されないようなアーティストのみなさんも同じステージでご一緒する機会だったので、私的にはそこにも緊張していましたね。あのアーティスト・ラインナップの中で、私はあの二日間で何を残せるかな? って。錚々たるアーティストのみなさんの中に私が混ざり、どれだけのパフォーマンスができて、どれだけの感動を残せるか。北海道から飛行機で向かっている間もずっとドキドキしていたし、MCもそんなに長い時間が取れるわけではないので、「どんな言葉を残そうか」とか、いろいろなことを頭の中でグルグルと巡らせていました。あとは「集まってくれたお客さんたちとできるだけたくさん目を合わせたいな」とか……ステージに立つまで本当にいろいろなことを考えていましたね。そして何より、「私の持ち時間でそれが全部達成できるかな?」って(苦笑)。でも実際にステージに立つと、私の思いが見透かされているみたいに、みんなの熱がどんどん伝わってくるんです。それが本当に楽しくて、気が付けば「さいたまスーパーアリーナをひとつにしたい!」というシンプルな思いに集約されていましたね。その思いを乗せ過ぎたのか、初日は思わず衣装が崩壊しかけるアクシデントも発生しまして、スタッフのみなさんをハラハラさせてしまいました(一同笑)。

みあ:そんなことになっていたなんて(笑)!

綾野:私的には、オーディエンスのみなさんに対して「二日間通して最高の景色を見せていただき、ありがとうございました!」という思いが一番強いんですけどね。あとは「アニメと音楽が完全に融合した『MUSIC THEATER 2017』、マジですごくない?」という、イベントとして「どや!」みたいな気持ち(笑)。

みあ:(笑)。でも、綾野さんの言う “最高の景色” という言葉、分かります。私はたくさんの笑顔と、その笑顔の美しさがすごく記憶に焼き付いているんですよ。あの笑顔を見ながら歌うことで、普段では味わえないような感動が湧いてきたんです。それまで頭の中は “上手に歌うこと” ばかりで占めていたのですが、そればかりではなく、私自身が楽しむことで伝わる思いと、生まれる笑顔があるということを知りました。デビューしてから〈歌を歌う〉ことをお仕事にしてきましたけど、まだ知らなかった〈歌を歌う〉ことの意味を、ステージに立って初めて教えてもらったような気持ちです。

──綾野さん、三月のパンタシアと言えばもちろん “Re:CREATORS(レクリエイターズ)” のEDテーマの前期、後期担当アーティストという共通点があるのですが、お二人は作品の魅力をどのように捉えていますか?

綾野:オリジナルアニメ作品ということで、本当の意味で先の読めない展開に毎週ワクワクさせてもらっています。こういう世界観の作品って、他にはないですよね。アニメのキャラクターが現界して、その活躍がアニメとして描かれるアニメ作品って、すごく斬新だと思うんです。前期でたくさん張られていた伏線が、後期にバトンタッチされてどのように膨らんだり、回収されていくのかが、一視聴者としても楽しみです。本当に最後まで目が離せない、そんな作品だと思っています。作品ファンとして「心して最後まで見届けないと!」って。だって、アニメファンだったら絶対に無視できない豪華声優陣のお芝居も毎回素晴らしいじゃないですか! あと本当に画が綺麗なんですよ。

みあ:私も第1話から画の美しさに心奪われました。そして現実世界と創造の世界が同時に描かれるというところは、綾野さんと同じようにすごく面白いと思いましたね。創造の世界の住人が創造主を辿って〈どうしてこんな世界を作った?〉と問うなんて、すごく斬新でドキドキしました。昔、漫画を読んでいると巻末で作者とキャラクターが会話しているような場面が描かれていたりしていましたけど、ああいうのが私大好きだったんですよ(笑)。その超豪華版のような見方もできるし、やっぱりまだ解明されていない劇中の謎が盛りだくさんですよね。“軍服の姫君” アルタイルの存在についてもまだ謎に包まれていますけど、段々と感情的になる姿も描かれてきているし、ここからまた物語が広がっていくんだろうなって。

綾野:私の “NEWLOOK” はかなりポジティブなメッセージや爽快感を意識したEDテーマだったのですが、みあさんが歌われている “ルビコン” はまた全然違う方向性の曲になっていて、それも驚きだったんです。つまり、後期はこのEDテーマが余韻として相応しいような展開が待っているのかな? って。

みあ:私が「ルビコン」に込めた思いは、“決意” なんです。生きていると、後悔することも、立ち止まりたくなる時もあると思うのですが、大切な存在からかけてもらった「大丈夫だよ」や「一人じゃない」という言葉を心に刻んで、新しい世界に一歩踏み出す……そういう、聴いている人の背中を押してあげられるような曲にしたくて。この曲が “Re:CREATORS” のストーリーやキャラクターたちとどう絡まり合っていくのか、私も今から楽しみです!

──改めて、アーティストとしてさまざまなアニメ作品の主題歌を担うことは、お二人にとってどのような意味を持つものなのでしょうか?

みあ:アニメを観ていると、共感すること、考えさせられること、心を突き動かされること……いろいろな感情が生まれると思うんです。そういう感情を大きく増幅した形で音楽として表現するのが、主題歌を歌う私の役割なのかな? と最近は思っていて。「MUSIC THEATER 2017」でも「やっぱり主題歌の力って大きいんだ」って、たくさんの出演者のみなさんの素晴らしいパフォーマンスと、それを受け取るオーディエンスのみなさんのリアクションを通じて感じることができました。Twitterでも「音と映像の力で、いろいろなことが思い出されて涙が出てきました」というメッセージを、想像していたよりもたくさんもらいました。だから私は、もっとアニメが大好きなみなさんの心に寄り添える歌が歌えるような存在になりたいと、強く思いました。

綾野:みあさんの仰る通りで、感情をダイレクトに揺さぶったり、訴えることができる音楽だからこそ、それを担わせていただく私たちにできることはまだまだ追求していきたいと思いますね。この仕事にすごく誇りを持っているし、何より、アニメを通じて音楽と出会い、私にたどり着いてくれたファンのみんなが大好きなので(笑)。

みあ:私も綾野さんみたいに、もっとライブができるようになりたいです……!

綾野:みあさんは初ステージがさいたまスーパーアリーナだったってことですよね? アリーナクラスのライブも勿論最高ですけど、ライブハウスでやるライブも最高なんですよ。距離がすごく近いから、私にみんなの気持ちや熱がダイレクトに流れ込んでくるというか。だからこそ、私自身が責任を持ってみんなを引っ張っていきたいと思うし、たくさん悩むこともあるし、もっともっと成長したいとも思えるんです。ライブは重ねれば重ねるほど、良くなっていくものだと私は信じています。音楽活動において、ライブは私の希望の一つですね。

みあ:今日は綾野さんから、ステージに立たれるアーティストの先輩としてのお話しがたくさん聞けて、すごく幸せでした! 私にとってはまだまだ未知の世界ですが、今日のお話しを忘れずに頑張っていこうと思いました。ありがとうございました!

綾野:実は対談ってあまり慣れていなかったから緊張していたんですけど(苦笑)、とても楽しくお話しできました。こちらこそ、ありがとうございました!


綾野ましろ
北海道洞爺湖町出身・札幌在住の女性シンガー綾野ましろ。まっすぐな意思を感じる透明感ある歌声で、聴く人の心が求める理想の歌とメッセージを届ける。2014年放送のTVアニメ “Fate/stay night” オープニングテーマ “ideal white” で10月にデビュー。その後、“ガンスリンガー ストラトス” “D.Gray-man HALLOW” などのTVアニメのテーマソングを担当。また、国内はもちろんシンガポール・ロサンゼルス・ドイツ・台湾などの海外でのイベントライブにも出演。2016年10月に1st album “WHITE PLACE” をリリース。TVアニメ “Re:CREATORS” エンディングテーマに起用されたニューシングル “NEWLOOK” を5月にリリース、現在“綾野ましろ Monthly One-man Live Circuit 2017” を開催中。
http://www.ayanomashiro.com/
https://twitter.com/ma_shi_ron
三月のパンタシア
終わりと始まりの物語を空想するボーカル「みあ」を中心としたプロジェクト。どこか憂いを秘めた「みあ」の歌声に多くの人気ネットミュージシャンやイラストレーターらが魅了され結成、2015年に活動スタート。TVアニメ “キズナイーバー” EDテーマ “はじまりの速度”などアニメ作品の主題歌を次々と担当し、2017年3月8日に1stアルバム “あのときの歌が聴こえる” をリリース。そして、同年8月30日にTVアニメ “Re:CREATORS” ED テーマ “ルビコン” をリリースする。その他にも、オリジナル楽曲のノベライズ小説を発表するなどマルチコンテンツで作品を展開中。
http://www.phantasia.jp/
https://twitter.com/3_phantasia