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Original Story and Character Concepts by Rei Hiroe Directed by Ei Aoki Animation Produced by Studio TROYCA Original TV Animation

Re:CREATORS(レクリエイターズ)

interview

2017.09.02

Re:CREATORS EDテーマアーティストインタビュー 三月のパンタシア・みあ

本作 “Re:CREATORS(レクリエイターズ)” の後期エンディングテーマである “ルビコン” 。楽曲を担当している三月のパンタシアにとって4枚目のシングルとなる“ルビコン”の発売を記念して、本サイト限定のインタビューが到着! ボーカル・みあさんがEDテーマに込めた想いをうかがいました。


──三月のパンタシア4thシングル “ルビコン” ですが、みあさんにとってどんな印象の楽曲になりましたか?

みあ:すごく疾走感があって、とても爽やかな、希望の光が射す曲になったなと思っています。ただその歌詞の中では、移り変わっていくものに対する寂しさも歌っていて。タイトルの “ルビコン” は、〈ルビコン川を渡る〉という古いことわざから取ったもので、強い決意を表すような意味があるんです。「どんなに離れた場所にいても私たちはずっとそばにいる」という心の繋がりと、その絆を信じて「あらたな一歩を踏み出す」という決意を歌に込めました。

──その “ルビコン” に込められたメッセージを歌うために、表現として尊重した部分は?

みあ:私はサビの「大丈夫だよ」という言葉と、「一人じゃないんだ」という言葉を大切にしたかったんです。その言葉をどれだけ真っすぐ、しっかりと伝えられるか。そこをすごく考えました。日常を過ごしていく中で……もちろん楽しいこともいっぱいあるけど、そればっかりじゃないじゃないですか。誰だって後悔することもあれば、悩んだりしていて、なかなか前に進めないこともたくさんあると思うんです。もし自分がそういう状況になったときに、どういう「大丈夫だよ」や「一人じゃないんだ」をかけてもらったら、心が安らいだり、心が前向きに動くのかな? と考えました。ただ日常の言葉として考えたときに、私は結構難しいなと思っていて。

──というと?

みあ:歌い方によっては、すごく軽くも聞こえてしまうんですよ。意味を持つ言葉だからこそ、歌い方によって「なんでそんな簡単に言えちゃうの?」という捉え方もされてしまう可能性があるので。これは私の性格的なものかもしれませんが、こういう言葉を言うのも、受け取るのも、すごく慎重になるんですよね。

──なるほど。受け取るときの心情やシチュエーションで意味合いが異なる表現でもあると。

みあ:そうですね。だからこそ、この表現について大切にしていて。この曲の「大丈夫だよ」は、私の中にある経験からの引用なんです。あるとき、すごく辛くて心がボロボロになっていたときに、真正面から「大丈夫だよ」と言ってもらったことがあって。その言葉には本当にウソがなくて、ただただまっすぐな感情だけがありました。だからこそ、私はその人のことを信じてみたいと思ったし「その人のためにも私が変わらなきゃ!」と思えて。その言葉のおかげで「一歩進まなきゃ」と思えたんですよね。だからそのとき私がもらった真っすぐな感情を思い出しながら、サビは特に大切に歌いました。

──歌詞の表記でも「大丈夫だよ」「一人じゃないんだ」が最後のサビで『大丈夫だよ』『一人じゃないんだ』になっていたりと、歌の中でも意味合いが若干変化していて。

みあ:そうなんです。最初のサビでは「大丈夫だよ」「一人じゃないんだよ」とかけてもらった言葉を思い出しながら決意をしていて、2番のサビでは自分が相手にこの言葉をかけてあげているんです。そして最後のサビでは、その言葉を思い出しながら「一歩踏み出すぞ」という決意を表現していて。この曲の中で登場人物が成長していく流れが、とても美しいなと思っています。

──ドラマチックな楽曲ですね。レコーディングではその表現の部分で苦労されたのでは?

みあ:そうですね、やっぱりこの歌い方にたどり着くまでにいろいろと試行錯誤があって、何度も「こうじゃない」「これでもない」と考えました。でもやっぱりシンプルに、自分がかけてもらった言葉に対してうれしいと感じた感情に対して、ただ素直になろうと。「それを思い出しながら歌えばいいのか」ということに気づけてからは、すごく素直に歌えた気がしてます。

── “Re:CREATORS” 後期EDテーマとして、みあさんが感じる作品との関連性は?

みあ:“Re:CREATORS” が「現実世界」と「創造世界」がキーワードになっているので、この「ルビコン」の中でもふたつの世界、つまり別々の世界で生きる二人の人物像をすごく意識しながら歌っていて。でも、アニメの中のキャラクターの誰と誰というのを当てはめてしまうのではなくて、そこは自由に捉えてもらいたいなと思っています。だから例えば、主人公の颯太くんとセレジアの歌かもしれないし、颯太くんとセツナの歌かもしれないし、セツナとアルタイルの歌かもしれない。物語が進んでいくに連れて、いろんな解釈ができると思っているので。これから物語も進んでいくなかで、みなさんがどのキャラクターのことを想って “ルビコン” を聴いてくれるのかな? というのもすごく楽しみなんです。

──改めてみあさんは “Re:CREATORS” の魅力をどのように捉えていますか?

みあ:圧倒的な面白さですかね(笑)。現実世界に出てきた被造物たちの中でも対立があって、そこに世界の存亡が委ねられているっていうところが、すごく新しいなと思います。そしてクリエイターと被造物が協力しあって世界を救おうとする、という物語も胸がアツくなるんですよ。自分があのクリエイターの中にいたら「自分の筆に世界が懸かっているんだ!」って、ものすごく燃えるだろうなって思いますね。クリエイターたちの会話もすごく面白くて、セリフも毎話じっくり聞いちゃいます。いろんな気質を持った人たちが集まっていますけど、根底にはみんな「いい作品を作りたい」という想いが共通してあるから、いろいろと共感しながら観ていることも多いですね(笑)。

──やはり楽曲を生み出すクリエイター側の立場でも観ることがある?

みあ:そうですね。その「創作」という、つまりは作品を生み出し、送り届けるということに対する責任とか、伴う影響などの部分は、私も考えさせられる部分はたくさんありますね。

── “責任” や “影響” を伴うからこそ、ひとつの表現に対して試行錯誤するわけですよね。

みあ:そういうことかもしれませんね。そして作り出していく私たちとみなさんの心の繋がりという部分も、 “Re:CREATORS” とリンクするテーマとして、大切に聴いてもらえたらうれしいなと思います。今回はMVでも、現実世界と空想の世界、それぞれで寂しさや孤独を抱えながら生きている女の子二人が、境界を超えて出会う……という物語になっていて。どこか空想的であるし、そこが切なくもあって、すごくグッとくる映像に仕上がりました。観てくださったみなさんの背中を押せるようなMVになったと思うので、ぜひフルサイズで観てほしいですね。

──そして三月のパンタシアといえば、11月25日に待望の単独ライブが決定しました! 心境はいかがですか?

みあ:もう「ついに!」という感じで、決まったことが何よりうれしいです。楽しみ過ぎて今からワクワクしていて(笑)。こうやってインタビューをしていただく度に「ライブをやりたい」というお話をしてきて、ファンのみなさんからも「ライブが観たい」というご意見をもらっても「待っていてください」としか言えなかったから、やっぱり大きな目標にやっと手が届くという感覚があります。今からいろいろなことを考えているのですが、とにかくちゃんと一人ひとりに向かって、しっかりと伝わる歌を歌いたいし、感謝の思いや、愛も伝えたい。そしてみなさんが送ってくれる愛もすべて受け取りたいと思っています。それを忘れなければ、すごく幸せな空間になるんじゃないかな、と思っていて。とにかく楽しみで仕方がないです! 絶対に最高の1日にしたいです!

──メジャー・デビューから約1年。まだ見ぬ挑戦が待っていることって、とても幸せなことですね。

みあ:本当にそう思います。まだ経験したことがない、私が知らない未知の領域があることって、希望なんですよね。全部が新鮮でワクワクできるこの感覚が大好きなので、ワンマンライブに限らず、音楽制作という意味でも常に新鮮でいられるよう挑戦はし続けたいと思っています。三月のパンタシアをはじめたことで、本当に人生が変わったんです。それまでずーっと悩んでいたことが多くて、常に「どうしたらいいんだろう?」「どうすればいいかわからない」と答えの出ない日々を過ごしていました。そんなときに音楽と出会って、人生が180度変わったんです。閉じていた心が開いた感覚があったんですよね。それを開けてもらったのは三月のパンタシアの仲間たち、スタッフのみなさん、そして何よりファンのみなさんなんです。今感じているこの思いを、感謝の気持ちを、しっかりと歌で伝えられるように、11月25日は一生懸命歌いたいと思っています。


三月のパンタシア
終わりと始まりの物語を空想するボーカル「みあ」を中心としたプロジェクト。どこか憂いを秘めた「みあ」の歌声に多くの人気ネットミュージシャンやイラストレーターらが魅了され結成、2015年に活動スタート。TVアニメ “キズナイーバー” EDテーマ “はじまりの速度”などアニメ作品の主題歌を次々と担当し、2017年3月8日に1stアルバム “あのときの歌が聴こえる” をリリース。そして、同年8月30日にTVアニメ “Re:CREATORS” ED テーマ “ルビコン” をリリースする。その他にも、オリジナル楽曲のノベライズ小説を発表するなどマルチコンテンツで作品を展開中。
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